「一護!!」

虚を退治した一護は呼ばれた声に振り返った

「ルキアか」

現れたルキアは一護の前まで跳んでくると立ち止まる

「遅くなって、すまなかった」

間に合わなかったことに対して謝罪すると、一護は首を振って答えた

「いや、大丈夫だ。雑魚だったからな。それより、井上は?」

今日は織姫の家に行くと言っていたから一人だったのだ

「ああ、あそこだ」

一護たちがいるのは川の上、近くの橋の上に井上織姫が手を振っているのが見えた

「悪かったな、井上」

「ううん、怪我ない?」

「全然」

織姫は照れながら笑顔を見せる

「だから言っただろう、こいつに心配するだけ無駄だと」

ルキアが腕を組みながら織姫の隣に降り立った

「悪かったな無駄な心配かけさせて」

嫌味に嫌味で返すと織姫が面白そうに笑う

「でも、あたしより朽木さんのほうが心配してなかった? 『あやつはいつでも無理をする』って」

「いっ、井上!!」

織姫がルキアの口まねをし、その言葉にぼんっとルキアが赤くなる

「へえぇ」

今度は一護が面白そうに笑った

ころころと笑う織姫に対しルキアは渋面顔

「だって口止めされてないし」

「帰るぞ井上!!」

ルキアは織姫の腕を掴むと彼女の家へ向かっていく

「ルキア、井上」

去っていく二人を見て一護は声をあげた

「ありがとな」

珍しくにっ、と年相応の笑顔をみせたが、今は夜、二人には見えていたのだろうか

少なくとも、二人は笑顔で一護に返した





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みっつ目は一護とルキアと織姫でした
h20/2/21