「ただいまコン」
「お帰り、風呂一護が最後だって」
「さんきゅ」
帰ってきた一護にコンは窓を開けた
自分の身体に入れ代わった一護は、風呂に入ろうと部屋を出て行った
廊下を進んだ一護は、
開いているドアに気が付いた
そっと覗くと、双子の妹は寝息を立てていた
時間はもう日付が変わっている
小学生なら当たり前の時間だ
一護は覗いたときと同じようにそっとドアを閉めた
リビングに下りるといつもながらでかい遺影が目に留まった
守りたいものがあった、それは守れなかったけど、
今は守りたいものがある
守っていけるだけの力も手に入れた
守って生きたいと自分に誓う
これからも守っていくんだろうと思う
いつも、いつか、いつまでも
出て行った一護を見送って、コンは自分の寝床へと移動する
「ただいま、か」
自分はここにいるのが仕事、彼の帰りを待つのが仕事
待っているだけのこの身をどれだけ悔やんだか知れないが、『ただいま』とその言葉を一番に言われるのなら
「悪くないかも」
「無理しないでよ」
騒ぎ疲れて眠っている二人に毛布をかけながら、そっとたつきはつぶやいた
「抱え込んで、それに押しつぶされる性格あんたたち三人そっくりだから」
だから、無理をしないで
誰もが誰かを置いていって、誰もが誰かを待っている
終
――――――
四部作のはずが、五部作に
4を終えてから、最初のところと繋がっていないことに気づきました
駄目じゃん
書きたかったことをちゃんと書いて五部作に
お持ち帰りのかたは五部作全部持って帰ることをお勧めします
ありがとうございました
h20/2/21