守りたいものがあった
守りたいものがある
守って生きたいと誓う
守っていくんだろうと思う



いつも、いつか、いつまでも




「あぁ?」

明日の授業の準備をしていた一護は、慣れてしまった感覚に眉を寄せた

「めんどくせぇ。おい、コン」

「どうかしたか?」

呟いて名を呼べば、一体の人形が反応する

「虚だ。しばらく体頼むわ」

「ぐぇ」

人形の腹を押して偽魂薬を取り出すと、それを飲み込み魂魄だけの死神姿となった

「おまっ、無理矢理出すなよ。俺にも準備ってもんが……」

抗議をするコンに、わかったわかった、と返して一護は窓を開ける

「んじゃ、行って来る。くれぐれも変なことすんなよな」

くれぐれも、というところを強調して、一護は夜の街へと姿を消した


「う゛〜、一護の馬鹿野郎」

しばらく唸っていたコンは、ノックの音で我に返る

「一兄」

振り返ると一護の妹である夏梨がドアから覗き込んでいた

「どうしたんだ?」

一護の顔をして返事をする

すると夏梨は不信そうに窓を眺めやった

「なんで窓開いてんの?」

夏梨の疑問ももっともで、今は二月の冬真っ盛り

ストーブが点いているならまだしも、一護の部屋はエアコンで空気を入れ替える必要はあまりない

「あ……ああ、さっき窓に何か当たってな、気になって開けたんだよ」

「そうなんだ」

そうとっさについたのだが、夏梨は信じてくれたようだ

窓を閉めながらコンは出来るだけ自然に夏梨に問いかける

「何か用か?」

「うん。お風呂空いてるよって言いに来たんだけど」

風呂か、と頭の中で考えた

夏のあいだ一護の身体を預かっていたコンとしては入ってもいいのだが、一護が帰ってきてからのほうがいいだろう

思春期の少年としては、自分の身体を人に見られていい気はしない

「もうちょっと後で入るから、先に入っていいぞ」

そう言うと夏梨は頷いて扉を閉めようとし、ふと思い立ったように呟いた

「一兄、あんまり無茶しないで……」

そのまま扉を閉めた夏梨を見て、コンは再び呟いた

「一護の馬鹿野郎」



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――――――
何でコンがメイン?
いいんだ、某サイト様のおかげでコン一にハマってるから
ここは一護総受けです
コンちゃんももちろん一護好きです
ちなみに、管理人は家族愛大好物です
h20/2/12