G=G
Gと獄寺メインの話
「行きなさい」
スペードの言葉に従って、綱吉は薄暗い路を通り抜ける。
「行きなさい。そうして、真実を知りなさい」
スペードの言葉が頭に響く。
何かを含んだ言い方だった。
<中略>
「バベルの塔を知っているか?」
隠されていた通路を抜け、案内された部屋でGと名乗った初代嵐の守護者は話はじめた。
腰掛けたジョットの右隣に当然のように座り、肩には雨月と名乗った男の手が当然のように触れていた。
天に挑んだ愚かな人の話だ。バベルは最後の最後に神の怒りに触れ、地に落とされる。罰として人々から共通の言葉を奪って。
「その罰が俺だよ」
そういって、Gは美しく残酷に微笑んだ。
<中略>
「ごめん」
その言葉が誰に向けられた言葉か、それは獄寺にしか分からない。
雨月に向けたものか、それとも……――。
顔を上げた獄寺と目が合った。
『そなたのせいではない』
耳慣れない言葉。恐らくイタリア語で告げた雨月の言葉に、獄寺は顔をくしゃりと俺を見たままで歪ませる。
「ごめん」
もう一度呟いた獄寺は、雨月の腕に飛び込んだ。
山本はそれをただ見ていることしか出来なかった。
作成中につき、上記の言い回しは若干変わります。