拍手1
1
――また、会えるよね
いつも笑顔の彼女が悲しそうに、それでも精一杯の笑顔を見せる
だから言った
「ああ、必ず会えるさ」
祈りをこめて言霊を

――無茶はするな
いつも黙って側にいてくれる親友が目元を和ませた
「分かってるって」
そう言ったのに心配そうな顔のまま笑う
いつも心配かけてばかりだな、と今更ながら反省する

――こっちは頼んだからな
ぶっきらぼうなあいつが嘆息しつつも右手を差し出す
「そっちこそ頼む」
いいたい放題な友人の手を握った
俺はここから出られないから、かわりに守って欲しい

言わなかった言葉を、察して皆は頷いた
彼らとはまた会えると信じているから、
さびしいけれど言葉にはしない
だから笑って送り出そう



「またな」



すべての話にどこかしら加筆済みです
h20/2/22拍手文
h20/12/22サイトアップ
拍手1−2