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「ハジメマシテ空鶴サン」
笑った男の顔を見て、夜一も、石田たちも、その場にいたものは凍りついた。
「お前どこから入った!!」
空鶴が小刀を取り出し、切り付けようとする。
それを難なくかわした一護は空鶴から離れた。
手には空鶴がきりつけた小刀を持って。
それに驚いた空鶴はすぐさま一護を睨みつける。
「貴様誰だ。それから何か用か。俺たちは今取り込み中だ」
「知ってるよ。だから来たんじゃないか」
おどけるような一護に空鶴はそれ以上言葉を発さない。
一護はそれを知ってか自分の言葉を続けた。
「俺は一護。一つを護ると書いて一護。お前の味方だ、夏梨」
死神と同じ姿の少女をまっすぐに見て、一護は笑って見せた。
「味方じゃと? お主は今この世界で何が起こっておるのか知っておるのか」
「朽木ルキア。それは俺が60年間探していた死神だ。ようやく約束を果たして、全てを話してやろうと思ったのに、こんな仕打ちだ」
夜一を見て、一護は断言した。
「たかが一介の人間に力を与えたとて、素質がなければ意味がない。これはなるべくしてなったもの。それを思い処罰を与える四十六室も、それを許容する護廷は愚かだ。貴女もそう思ったから、この世界に戻ってきたのでしょう?」
一護の言葉に夜一は押し黙った。
「お主、何者じゃ」
夜一の正体を知っている様子の男。
流魂街にいる人間と変わらない気配をしている。
厳しい視線と僅かな力を送ってみても、何の反応もしない男は夜一に同じような視線を送って見せた。
「この世界の秩序をよく思わないもの、さ」
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選択24
h22/3/6
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