夢を見た
朝の喧騒は結構好きで、茶屋の前に座って通りを眺めていたその時に
ふと、今朝の夢を思い出したのだ
とてもとても懐かしい夢
『またここで』
『この時間に』
そう彼らと約束をした
ずっと遠い昔のようで、昨日のような約束を……
「ああ、そうか」
看板娘が持ってきた名物の団子を一本とって呟く
今日でちょうど
「ちょうど六十年」
太陽が眩しくて手をかざす
けれど、
――約束をした者はここにいない
「さてっと、勘定ここに置いてくぜ」
団子を頬張り店をでる
さっきの娘が、ありがとうございました、と声を張り上げるなか人々に紛れた
「家に戻って、あれとってきて、あーまだ早すぎるか。何してよう」
ぶつぶつと考え事をしながら歩く
もう一度太陽を見上げ眉を寄せた
『約束な』
時間が再び動き出す 声が聞こえる
――――――
一護中心選択式小説A
キミがユメに出てきたイミをイマ知る
h20/2/20